ブナの場合はせいぜい300年程度にすぎない

『各地の巨樹名木の一覧表などを見ても、ブナがあげられている例はあまり見あたらない。ブナの原生林が少なくなった今日でも、その大木を見るのはそう困難ではないはずなのに、いわゆる名木にあたるものが少ないのはなぜだろうか。おそらく、それは、ブナの寿命が比較的短いからだろう。
よく知られているとおり、スギをはじめとする多くの針葉樹は1000年以上の寿命に恵まれている。広葉樹でもミズナラやトチなどがそれに匹敵する寿命を保つのにたいし、ブナの場合はせいぜい300年程度にすぎない。したがって、子々孫々に語り継ぐには、老大木の数が圧倒的に少ないのである。』
---【森を知ろう、森を楽しもう】 北村昌夫 著 より

薊岳(標高1406m)は、台高山脈の主稜線から少し外れているので、それなりに静かな山歩きが味わえます。麦谷林道から木の実ャ塚経由の尾根コースは、そこここに展開する樹齢を重ねたブナの巨木の森が素晴らしく、なんども訪れました。そのおり、秘かに崇めては幹に触れていた老巨木です。
冬の薊岳に登頂する際には、より厳しい佇まいに心打たれる感を覚えました。

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2010/01/16 健在
ところが、この年の春山で訪れてみると、ドウと見事に倒れていました。


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2010/03/08 倒木
樹木の中では短いと云われるブナの寿命ですけれど、それでも我々の一生などとは比較にならないほど長いものです。
同シーズンの冬山と春山という、たかだか2ヶ月ほどの時間の経過の中で、ブナが生涯を尽くし終える、偶然にもそんな瞬間に巡り合えたことが、ほんとうに貴重な体験に思え、倒木を確認したときの胸の高鳴りを忘れることができません。


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まだ少し、体力に余力のあるうちに(>_<) あの倒木となってしまった老巨木に、もう一度、会いに行けたらと考えています。
ひょっとして、雪に覆われた枝先から、円らな瞳を輝かせたコガラが、愛らしい顔を覗かすかも知れませんね。

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麦谷林道コースにて(2010/01/16-03/08 撮影)

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by gogo3jihh | 2015-01-22 20:49 | What now?

人生午後3時(gogo-3jih)紀伊半島の山間から野鳥メインに発信。身近な自然風景に綴られる、野鳥のいきいきした表情が撮れたらイイネ!リンク・フリーです、どうぞ、ご自由になさってください。


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